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債務整理は自分でできる!?特定調停とはどんな制度?

借金の返済が苦しくなったとき、弁護士や司法書士など債務整理に関する知識を持つ専門家に依頼すれば、債務者の有利になるような解決方法を探してくれるでしょう。

しかし、実は専門家の手を借りず、債務者本人が手続きをする「特定調停」という方法もあります。

ただ、債務整理の手続きと聞くと、なんとなくむずかしく考えてしまう人もいるはずです。

そこで、今回は特定調停の仕組みやメリット、デメリットなどについて詳しく説明します。

[sugiyama]

特定調停とはそもそもどんなもの?

債務整理の方法はいくつかの種類があり、債務や債務整理をおこなおうとする本人の経済状況によってどの方法をとるのが最適かは異なります。

そのなかでも特定調停は簡易裁判所でおこなわれる債務整理の手続きで、2000年2月からはじまりました。

特定調停は債務者本人ができる債務整理の方法

特定調停がほかの債務整理の方法と最も違うのは、代理人を立てずに債務者本人が債権者との交渉をおこなうという点です。

自己破産や個人再生、任意整理などの場合は、通常弁護士や司法書士など法律の専門家に代理人になってもらいます。

一方、特定調停の手続きでは代理人を立てません。

その代わりに簡易裁判所が債権者と債務者の間を仲介し、借金の軽減や返済方法などについて合意にいたるよう導き、債務者の生活を立て直せるように支援するという制度なのです。

特定調停がほかの債務整理と共通している点は?

特定調停は、ほかの裁判所でおこなう債務整理と共通点もありますが、裁判所を通さない任意整理とも手続き上共通しているところがあります。

自己破産と個人再生、任意整理の概略

債務整理の方法には自己破産や個人再生など、ほかにもいくつか裁判所を通しておこなう手続きがあります。

ただ、自己破産の場合は支払いが不能であることを裁判所で認めてもらい、債務の返済を免責してもらう制度です。

また、個人再生は債務が全額免責にはならないものの、裁判所の決定で債務を減らしてもらい、一定期間で返済する再生計画を立ててもらいます。

一方、裁判所を通さずに弁護士などの代理人が債権者と直接和解交渉をして債務整理する方法として任意整理という手続きがあり、裁判所は通しません。

特定調停とほかの債務整理との共通点

特定調停は裁判所を通しておこなう公的な方法という点では自己破産や個人再生と共通しています。

ただ、債務整理の手続きの仕方としては裁判所を通さない私的な方法である任意整理と似ている点があります。

任意整理や特定調停では、自己破産や個人再生のように裁判所が決定を下すわけではなく、債権者との話し合いで和解を目指すという点が共通しているのです。

また、特定調停でも任意整理と同じように借金しはじめた時期からの取引履歴を債権者に開示してもらいます。

そして、利息の上限を定めた利息制限法に従って利息を計算しなおす引き直し計算という作業をおこなう手順も共通しています。

なぜなら、利息制限法に基づく上限を超えた利息で借金をしていた場合、過払い金が発生していることがあるからです。

そのため、本来の利息で計算しなおすと債務をかなり減らせるケースがあるでしょう。

任意整理と特定調停では引き直し計算したうえで将来の利息がカットされ、実際に可能な返済計画を立てることができます。

つまり、任意整理と特定調停では債務の減額幅がほぼ同じくらいであり、残りの債務を3~5年で返済するという期間の設定なども同様です。

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特定調停のメリットとデメリット

債務整理の方法にはそれぞれメリットがあればデメリットもあります。

そのため、うまくメリットを利用して望む通りの債務整理ができる可能性もあるでしょう。

しかし、デメリットを考慮に入れずに債務整理を実行すれば、こんなはずではなかったと後悔するようなことにもなりかねません。

特に特定調停は代理人を立てずに手続きをおこなうため、メリットとデメリットはしっかり把握しておく必要があります。

特定調停のメリットはどのくらいある?

特定調停にはほかの債務整理の方法にはないメリットや、任意整理と共通しているメリットもあります。

条件が整っているならば、特定調停を利用して債務整理をおこなうことがメリットです。

では、どんな条件なら特定調停を利用して債務整理をするのが適しているのかを説明しましょう。

債務整理にかかる費用を抑えることができる

特定調停は代理人を立てずに本人でおこなう手続きであるため、弁護士や司法書士に依頼するとかかる着手金や成功報酬などを支払う必要がありません。

特定調停なら実質手続きに必要な印紙代と郵便切手代を合わせても債権者1社につき500円で済み、ほかの債務整理の方法に比べると費用が安く済むという点が最大のメリットです。

そのため、なによりも債務整理にかかる費用を抑えたいというときには特定調停を選ぶ価値があります。

手続きは裁判所が間に入ってくれる

自分で手続きをしなければならないと聞くと、「むずかしいのではないか」「専門知識がないとできないのではないか」など、心配だという人もいるはずです。

しかし、申し立てする際の手続きは裁判所で教えてもらうことができます。

また、手続きを自分でしなくてはならないとはいえ、裁判所での調停は調停委員の主導で進められるため、債権者と2者だけで直接対峙して交渉しなくてもいいため安心です。

資格制限を受けたり官報にのったりすることがない

債務整理のなかでも自己破産をすると、弁護士や税理士などの仕業や警備員、保険外交員など一部の職業では資格制限があります。

また、自己破産や個人再生などの債務整理をおこなえば、官報に名前が掲載されてしまうというのもデメリットです。

しかし、同じ裁判所を通しておこなう債務整理の手続きでも、特定調停は資格制限を受けたり官報にのったりはしません。

債務整理の対象を選ぶことが可能

住宅ローンに関しては、個人再生でも特例によって支払いを続けたまま債務整理をおこない、家を残すということができます。

ただ、自己破産も個人再生も債務者の都合で一部の債権者だけを債務整理の対象から外すということはできません。

しかし、特定調停と任意整理では整理する債権者を選ぶことができます。

そのため、生活の基盤である家を失わずに済むように住宅ローンを債務整理の対象から外すことが可能です。

生活で車がどうしても必要だというならば、車のローンを残すこともできます。

また、連帯保証人をつけている債務の場合、債務整理が実行されると債権者が連帯保証人に返済を求めることが考えられるのです。

特定調停では、連帯保証人に迷惑をかけずに済むように、連帯保証人のいる債務だけを外すということもできます。

強制執行を止める制度がある

特定調停では、給料の差し押さえなど強制執行を停止させる申し立てをすることが可能です。

債権者の立場から考えると、できるだけ債権を取り戻したいと考えるのは当然でしょう。

そのため、給料や自家用車などを差し押さえたり、不動産を競売にかけようとしたりする可能性があります。

任意整理では法的な強制力がなく、特定調停のように強制執行を止めることができません。

万一、給料や車、不動産などの財産を強制執行されてしまうと再生計画を立てることもできなくなる可能性があります。

残った財産を確保できる強制執行停止制度があるという点は特定調停のメリットです。

気をつけておくべき特定調停のデメリット

特定調停にはほかにはないメリットもありますが、もちろんメリットばかりではありません。

人によっては負担が大きいことや、利用しにくい場合もあるため、デメリットも知っておく必要があります。

手続きは基本的に自分でしなければならない

任意整理の場合はさまざまな手続きや債権者との交渉などは代理人がやってくれるため、債務者本人はほとんどなにもする必要はありません。

しかし、特定調停では基本的に債務者本人が手続きをおこなわなければいけませんから、申立書も自分で作成する必要があります。

申立書のほかにも調停を進めていくうえでは、財産の状況や債権者の一覧などを記載した書類も必要です。

そのため、面倒な書類作成が苦手だという人には自分で書類を作成しなければいけない点はデメリットになるでしょう。

また、ある程度書類作成のための時間を確保できないという忙しい人にも不向きだといえます。

裁判所で手続きできるのは平日のみ

特定調停は裁判所でさまざまな手続きや調停がおこなわれ、債務者本人も出廷しなければなりません。

ただ、裁判所は平日にしか業務をおこなっていないため、当然調停の期日も平日です。

債権者の数が多い場合はそれだけ裁判所に出廷しなければいけない日も多くなります。

つまり、平日に時間を割いて裁判所に出向かなければならないため、平日に休みが取れない人にとっては特定調停という選択肢を選ぶことはむずかしいです。

取り立てがストップするまでに時間がかかる

借金の返済に困っている状態の場合、債権者からの督促や取り立てに悩まされていることも多いはずです。

代理人に依頼して任意整理の手続きをするときは、代理人が受任した時点で取り立てがストップします。

しかし、特定調停の場合は裁判所で申し立てが完了するまで取り立てはやみません。

そのため、書類の作成など申し立てをするまでに時間がかかるようなら、それだけ長い時間督促や取り立てが続くということです。

過払い金を取り戻すことができない

任意整理も特定調停も引き直し計算をおこなうことで過払い金があるかどうかがわかります。

任意整理の場合は過払い金があれば取り戻すことができ、債務の返済に充てることも可能です。

一方、特定調停の手続きのなかでは過払い金の取り戻しはできません。

もし、過払い金があれば、別途返還請求訴訟を起こす必要があり、一度の手続きで過払い金まで取り戻せない点はデメリットのひとつです。

調停に違反すれば強制執行されるリスクがある

強制執行停止制度があるという点は特定調停のメリットでした。

ただ、特定調停が決着した場合、作成される調停調書は裁判の確定判決と同様の効力を持つものです。

任意整理でも特定調停と同じように債権者との間で和解書が作成されます。

ただ、任意整理の和解書は特定調停の調停調書のように法的な効力を発揮するものではありません。

そのため、直ちに財産の強制執行がおこなわれることはないのです。

しかし、特定調停の場合は調停が成立したあとに、万一返済を滞納させるような状況に陥った場合は違ってきます。

法的な効力を持つ調停の結果に反するようなことになれば、すぐにでも強制執行されるリスクがあるという点はデメリットです。

和解が成立しないリスクもある

任意整理も特定調停も相手方の債権者と和解交渉をするということについては同じです。

任意整理ならば、こちらも弁護士や司法書士などの専門家が対応するため、債務者にできるだけ有利な条件で和解を進められる可能性も高くなります。

ただ、特定調停の場合は裁判所が仲介してくれるとはいえ、債務者本人が対応するため債権者が強硬な態度にでてくれば交渉が折り合わない可能性もあるのです。

自己破産などの手続きの場合は、債権者が同意しなくても決定が下されます。

しかし、特定調停は債権者の同意が得られないと和解が成立せず、調停が不調に終わる可能性も高くなることがデメリットです。

調停が不成立に終われば、別の方法で債務整理をおこなわなければいけなくなります。

調停での和解が成立するまでの間は利息の未払い分も増え続け、遅延損害金が発生している状況もあるでしょう。

そのため、和解が成立しなければかえって債務が増えてしまう可能性もあり得ます。

ブラックリストにのってしまう

特定調停も債務整理の方法のひとつであり、和解が成立しても本来返済すべきだった債務を当初の約束通りに返せなかったことには違いありません。

そのため、信用情報機関には事故情報として掲載されてしまうデメリットがあります。

いわゆるブラックリストにのってしまうという状況です。

ブラックリストにのってしまうと5年は情報が登録されている状態であるため、新たにローンを組んだりクレジットカードを作ったりできないため注意しておく必要があります。

調停委員が専門家ではないケースもある

特定調停は裁判所を通しておこなわれますが、実際に調停に立ち会ってくれる調停委員が必ずしも債務整理に関して専門家であるというわけではありません。

そのため、正確な引き直し計算をせずに調停がおこなわれたり、将来利息をカットせずに和解を成立させたりするケースもあります。

また、申立人に不利になるような内容で調停が進んでしまう可能性も考えられるため注意は必要です。

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特定調停の手続きはこんな流れ

特定調停の手続きは、まず本人の手で特定調停申立書と財産の状況を示した書類、債権者の一覧表など必要書類を作成するところからはじまります。

特定調停の申し立ては、債権者の会社がある所在地を管轄する簡易裁判所でおこなう必要があります。

「実際にどのような書類をそろえたらいいのか」「費用はどのくらいになるのか」など、わからないことがあれば簡易裁判所の窓口に行けば教えてもらうことが可能です。

書類一式をそろえて簡易裁判所に特定調停の申し立てをおこなうと、裁判所から各債権者に特定調停が開始されたという通知が届きます。

このタイミングで督促や取り立てがストップするのです。

申し立てから2~3週間経てば裁判所から「調停期日呼出状」が届きます。

また、第1回の期日までの間に債権者からは裁判所に利息制限法に基づいて引き直し計算をした「計算書」が提出されているはずです。

さらに、債権者の意見を述べた「上申書」も出されています。

上申書は引き直し計算をした結果、「過払い金があった」「債務がゼロになっている」という内容や、特定調停の決定に従うという内容が記載されている文書です。

計算書や上申書は閲覧やコピーが可能であるため、必ず事前にチェックしておきましょう。

申し立てから1カ月後くらいに第1回の調停がおこなわれ、調停委員に債務の状況や経過、今後の返済計画などについて質問されます。

第2回目の調停は申立人と債権者双方の主張を聞く場です。

ただ、調停委員との話自体は別々におこなわれるため、直接債権者と顔を合わせる心配はありません。

その後、双方の言い分を聞いた調停委員から調停案が呈示され、どちらも同意すれば調停は成立です。

同意した内容をもとに調停証書が作成され、調停証書の内容に従って返済をしていくことになります。

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デメリットも踏まえたうえで有効だと思えば特定調停も視野に

特定調停という債務整理の方法は、借金の返済がむずかしくなったときに救済してもらえる方法です。

そして、専門家に頼らずに自分で手続きをおこなえるという点が特徴的でした。

もちろん、デメリットもあるため、本当に特定調停という方法を選ぶのが最適かどうかはしっかり考える必要があるでしょう。

ただ、費用を抑えられたり、債務の対象を選ぶことができたりなどメリットもある方法です。

デメリットも踏まえたうえで、自分で債務整理の手続きをしてみようと考えるなら、特定調停という方法を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?

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